クラウドクレジット運用報告会レポート(2017/1/15) その2 - ソーシャルレンディング赤裸々日記 比較情報-ニュースサイト

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クラウドクレジット運用報告会レポート(2017/1/15) その2


 クラウドクレジットが2017/1/15 に東京で開催した運用報告会のレポートです。

今回はその2となります。

その1は下記リンクをご参照ください。

2017/01/23 クラウドクレジット運用報告会レポート(2017/1/15) その1


 その1でこの運用報告会のテーマ、総括は私なりにまとめています。是非その1をお読みになってから、このその2をお読みいただければ幸いです。

今回からは個別のファンドの運用説明を行っていきます。なるべく短くまとめていきたいと思います。

お伝えする順番は

1:元本、利回りともに想定通り順調に運用されているファンド
1-1ペルー小口債務者支援ファンド
1-2東欧金融業者支援ファンド
1-3マイクロローン事業者支援ファンド
1-4ジョージアマイクロローン事業者支援ファンド
1-5リトアニア個人向けローンファンド
1-6バルト三国自動車リースファンド

2:元本毀損の可能性は少ないが、想定通りのリターン分配に懸念があるファンド
2-1カメルーン中小企業支援プロジェクト
2-2北欧個人向けローンファンド・
2-3イタリア消費者ローンファンド

3:元本毀損の可能性があるファンド
3-1欧州3か国個人向けローンファンド(ハイイールド型)

4:元本、利回りともに想定通り順調に運用されているファンド
4-1 欧州3か国個人向けローンファンド(バランス型)
4-2 欧州3か国個人向けローンファンド(リスク低減型)

となっています。これは運用報告会で行われた順番ではなく、私が説明しやすいように並びかえています。

 運用状況が正常なものから、懸念のあるものへと進めていきます。ただし欧州3か国個人向けローンファンド(ハイイールド、バランス、リスク低減型)は文章構成の関係、一緒に説明したいため、上記のような並びとしています。

 また、同じカテゴリならばファンドの額が大きいものを基本先にしています(一部例外あり)。
ご了解をいただければ幸いです。


1:元本、利回りともに想定通り順調に運用されているファンド

1-1 ペルー小口債務者支援ファンド

ファンドの運用状況は「良好」です。

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 クラウドクレジットが最初に組成した、もっとも運用歴があるファンドです。クラウドクレジットのペルー子会社が現地の債権回収業者 KOBRANZASと提携して運用しています。

・小口債務者向けの焦げ付き債権を額面の2~3%で購入する。
・小口債務者から取り立てを行うが、その額は額面の1割(10%)程度
・小口債務者は借金の1/10を支払えば、借金から開放され生活再建につながる

 (だから「小口債務者支援」という、名前がついている)。
・ (10-3)=7%が収益となる

というスキームとなっています。

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(これまで購入した債券概要、5)、6)の間に1年期間が空いているが、その後は安定した購入を行っている)。

 ファンドの運用状況は非常に良好とのことです。上記債券の買い取りが行えない時期がしばらくありましたが、今では安定して購入できているとのことです。

 債券購入側の競争の激化などの理由で、債券の価格は額面の3%から5%に上昇しているとのことです。それでも安い価格で購入できていることには変わりはないとのこと。これからもファンドをしっかり運営して分配を行っていきたいとのことです。

 このファンドのユニークなところは手数料が「なし」であることです。

 上記スキームで安く買った債券の回収が順調に行えれば、投資家へ分配をおこなっても、余裕がでることがあるので、それを収益としているとのことでした。


1-2東欧金融業者支援ファンド

ファンドの運用状況は「良好」でです。

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 ①キプロスの金融持株会社(下の図におけるA社)に、または②ラトビアのミントス(mintos)というレンディングプラットフォームを通じて、東欧に資金を供給するファンドです。

 実際にはそのほとんどがで運用されているとのことです。A社は借り入れ利率よりも更に高い利率で、顧客に貸し受けて利益を得ます。

 以下断りがない限り、クラウドクレジットのファンドは基本的に

クラウドクレジット(の子会社)が海外提携会社にお金を融資(供給)
or
・海外のレンディングプラットフォームで貸付債券の買い取り

を行い、そこから得られる利息が収益になると、お考えください。

閑話休題

 主要な貸付先が、①のキプロスの金融持株会社(A社)なのですから、その会社の経営基盤がしっかりしていれば、貸したお金は安定的に返されることになります。

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過去6ヶ月の①のEBITDA(利益指標のひとつ)と2016年11月時点でのバランスシート概要が示されました。

 EBIDATはコンスタンスに50~90万ユーロが計上されている、バランスシートもしっかりしているとのことで、今後も問題なく、クラウドクレジットは回収を行える見込みとのことです。

 というわけで、最初に述べたとおり、ファンドの運用状況は「良好」です。


1-3マイクロローン事業者支援ファンド

ファンドの運用状況は「良好」でです。

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 旧ソ連圏でマイクロローンを営む、キプロスの持ち株会社(B社)に対する資金の供給を主に行うファンドです。やはりEBITDAとバランスシートが示されました。

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 EBITDAはとても良好です。2016年8月は赤字ですがこれは、勢いの盛んな同社がブラジルへ進出した際の支出を計上したためとのこと。バランスシートは自己資本率が40%を超えており、とても安定しているとのことです。
 同社の経営は安定しているため、資金調達は円滑にいっています。そのためクラウドクレジットが融資する際の金利は先に述べた「1-2東欧金融業者支援ファンド」より3~4%ほど低くなっているとのことです。

 それでも比較的高い金利でお金を借りてくれ、安定して返済してくれる財政基盤があることから、B社とのお付き合いは続けていくとのことです。

 というわけで、最初に述べたとおり、ファンドの運用状況は「良好」です。


1-4 ジョージアマイクロローン事業者支援ファンド

ファンドの運用状況は「良好」でです。

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「1-3マイクロローン事業者支援ファンド」の主な貸付先であるB社の、ジョージアにある子会社である「C社」に資金を供給するファンドです。C社の経営が安定していれば、ファンドの収益も同様に安定します。

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 EBITDA、バランスシートが示されC社は黒字が続き、経営が安定していることが示されました。たとえC社が窮地になってもB社からの支援が期待できるとのことです。これからも事業を拡大していくとのことでした。


1-5リトアニア個人向けローンファンド

ファンドの運用状況は「良好」でです。

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 リトアにあるSAVY(サビー)というP2Pプラットフォームを通して、個人向けに資金を供給するファンドです。

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 ファンドの運用を開始してまだ日が浅い(4、5ヶ月ほど)のですがですが、債権の4.35%に延滞が発生しています。ただしこれは「想定の範囲内」とのことです。

 運用期間が長くなれば延滞はある一定割合、発生しますが、それが想定を超えない限りはファンドの分配は安定して行われます。

 現段階では問題は認められず、予定通りの分配が予定されているとのことです。

 デフォルトが起きても、多数の分散融資によりリスクをヘッジする体制をクラウドクレジットがとっていることについては、下記記事をご参照ください。
参照
2015/12/11 第2回 Financial Crowdfunding Meetup参加報告その4 クラウドクレジット ~数千、数万件の分散投資により大数の法則が成立した案件を提供~


1-6バルト三国自動車リースファンド

ファンドの運用状況は「良好」でです。

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 バルト三国に拠点を置くMogo社から自動車リース債権を購入して、その回収を行い収益とするファンドです。このファンドにおいても、ラトビアのレンディングプラットフォーム、ミントスを介して債権の購入を行っています。

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延滞は発生していますが、想定内であり、ファンドの分配には影響はありません。

 このファンドの安全性が高いことは、債券の発行者であるMogo社が、デフォルトが起きても、債券購入者を保護する契約が結ばれていることです。
 どういう契約かといいますと、債権の回収にあたって遅滞が生じ、それが60日を超える場合、Mogo社が債権を金利分も含めて買い戻す(つまり保障する)のです。ですからデフォルトが起きても、同社の経営に問題がない限り、投資家への分配は確保されます。

 ただしこの案件は運用期間が4年なのですが、早期返済が予定されています。それは下記理由のためです。

 このファンドの利回りである約9~10%の利回りを確保するには4年の間、回収した資金を再投資(債権再購入)する必要があります。しかし、Mogo社の販売する上記債権の利回り低下が起きているそうです。

 具体的にいうとファンドの組成時には約13%の利回り、かつ上記支払を担保するMogo社の買い戻し契約が付いている債権の購入を予定していました。それが現状では8%の利回り、ないし12%で買い戻し契約がないもの、が主流になっているとのことです。

 利回り低下がおきたのは、世界から投資資金がミントスに流れ込み、需給に変化が生じことが理由とのことでした(これは世界中でソーシャルレンディングに資金が流れこみつつあることを、示唆する情報です)。

 運用を4年間続けることも可能ですが、それだと利回り低下が避けられません。そこでクラウドクレジットの側から再投資は行わず、利回りを確保はするけれど、運用期間を短縮する選択を取ったわけですね。
 
 なお上記利回りが低下した債権でも、買い戻し契約がありならばそれなりの利益が望める可能性があります。利回りなどの条件を変更した上で、同ファンドの再販売も検討しているとのことでした。


2:元本毀損の可能性は少ないが、想定通りのリターン分配に懸念があるファンド

2-1カメルーン中小企業支援プロジェクト

ファンドの運用状況は、「想定通りのリターン分配に懸念あり」
です。

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 アフリカのカメルーンに対する中小企業に融資を行い、その回収を行い、利息を投資家に分配するファンドです。融資は現地提携企業のオバンバ(Ovamba)社を介して行われます。全体で5億円を集めており、クラウドクレジットにおいて、最もお金を集めたファンドでもあります。

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 このファンドの特徴的なところは、案件(現在23案件を募集)ごとに融資先の信用リスクを、独立させていることです。つまりファンドごとに個別の相手に貸し出しています。他のファンドでは、ファンド全体で同リスクを分散させているものが大半なのですが、その意味でこのカメルーンファンドは独特です。

 結論からいうと

1号為替ヘッジあり、
2号為替ヘッジなし
2号為替ヘッジあり

 の3つのファンドにおいて、返済を滞らせている会社があり、その回収のためにファンドの運用期間を延長ささせるとのことです。また利回りの低下も想定されるとのことです。ただし各ファンドとも返済を遅らせているのは、11、12社に分散融資させているうちの1社のみとのことです。よって大きな損失とはならない見込みとのことでした。

 上記3つ以外のファンドの運用は、現状通常に行われているとのことです。


2-2北欧個人向けローンファンド

ファンドの運用状況は、「想定通りのリターン分配に懸念あり」
です。

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ただしそれほど大きな懸念ではないことは、下記説明します。

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 フィンランドのフェローファイナンス(Fellow Finance)、エストニアのボンドーラ(Bondora)の2つのレンディングプラットフォームを利用して、フィンランド、エストニア、スペインの個人・企業の貸付債権に投資しています。上記図のとおり、そのうちフェローファイナンスからの債権購入割合が大きいです。

 フェローファイナンスにでは平均利回り18.81%、ボンドーラには29.55%の債権に投資しており、うまく回収できれば、大きな利益が期待できます。ただし上記図にあるとおり、1~180日間の延滞が全体の20~30%で生じています。

 結論からいうと、これは想定の範囲内であり、大きく懸念する必要はないとのことです。融資において延滞、貸し倒れは当たり前のことであり、それを織り込んだ利回りがファンドには設定してあります。

 また、ペナルティ金利(いわゆる延滞金利、当然当初金利よりも高い)での回収も望めます。そのため、現状の金利と延滞率で推移していれば、「当初の買い取り債権」では想定通りの利益が確保できるとのことです。

 ただし、ファンドの全体では上記のとおり、利回り低下が予想されています。これは「1-6バルト三国自動車リースファンド」でも説明しましたが、レンディングプラットフォームに世界中から投資資金が流れ込んでおり、利回りの低下が起きているためです。

 具体的にはフェローファイナンスの貸付は当初は上記のとおり、約18.81%でしたが、13%ほどに低下しているそうです。そのため、債務者の一部がが低金利のローンへの借り換え(早期返済)を行っているとのことです。。

 バルト三国自動車リースファンドと違って、この北欧個人向けローンファンドでは早期償還はされず、利回り低下を受け入れた上で運用は続けられることになります。

 この違いはクラウドクレジットの経営判断となりますが、その理由を質問してくればよかったです。


2-3イタリア消費者ローンファンド

ファンドの運用状況は、「想定通りのリターン分配に懸念あり」です。

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 イタリアのレンディングプラットフォーム(PRESTIAMOCI)を利用して、個人向け債権に投資するファンドです。累計ファンド組成額が400万円弱の小さなファンドです。

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 そのため「懸念あり」なのですが小さなファンドなので、16人にしか融資を行っていません。そのうち信用リスクがFランクと最低ランク(最高はAランク)の人が「1人だけ」延滞を起こしているそうです。

その人への貸付額は1000ユーロであり、全体の3%ほどです。

延滞額は小さいのでそれ自体は大きな問題ではないのですが、

1. PRESTIAMOCIの勢いが振るわず、当初想定した利回り(7~8%)での貸付が行えなかった(大体4~7%)
2.ファンドの規模が小さいため運営コストが割高になった


といった理由もあり、思った通りの利益が挙げられず、分配は問題ないが、利回り低下の恐れとのことでした。

今回はここまでにさせてください。

クラウドクレジットの公式HP

次回記事
2017/3/12 クラウドクレジット運用報告会レポート(2017/1/15) その3

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