クラウドクレジット運用報告会レポート(2017/1/15) その1
2016/01/15に東京都中央区日本橋茅場町平和ビルで開催された、クラウドクレジットの運用報告会に参加してまいりました。
当日1:30から始まり16:00まで2時間半、クラウドクレジット


(左から成炳門氏、杉山智行氏、依田雅彦氏)
司会は営業部長の成炳門氏、開会・閉会の挨拶は社長の杉山智行氏、運用報告は商品部長の依田雅彦氏により行われました。
内容をご報告します。
まず杉山社長が挨拶で述べられた、クラウドクレジットの今の姿、将来のビジョンについて簡単に述べます。
1. ファンドの組成、クラウドクレジットの躍進について
クラウドクレジット

現在以下10本のファンドを運用しています。

・ペルー小口債務者支援ファンド
・カメルーン中小企業支援プロジェクト
・欧州3ヶ国個人向けローンファンド
・東欧金融業者支援ファンド
・北欧個人向けローンファンド・
・バルト三国自動車リースファンド
・マイクロローン事業者ファンド
・リトアニア個人向けローンファンド
・イタリア消費者ローンファンド
・ジョージアマイクロローン事業者支援ファンド(このファンドは上の表から抜けている)
となります。

間接的なものも含めて17の国にお金を供給しています。

ローン成約は2016年12月31日の段階で16億円を突破しました。2016年はじめの段階では3億825万円だったので、この1年で4倍近くに伸びたことになります。

ユーザー登録数は2500人弱です。2016年はじめが833人なので3倍近くに増えました。
2.クラウドクレジットの重点強化ポイント
クラウドクレジットのここ半年間の重点強化ポイントは3つあります

2-1.お客さんとのコミュニケーションの強化
2-2.UI/UX(ユーザーインターフェイス、ユーザーエクスペリエンス)の進化
2-3.プロダクツの充実
です。以下解説します。
2-1.お客さんとのコミュニケーションの強化
クラウドクレジット

この部分で杉山社長が参加者に何をコミュニケート(伝える)したいのかが語られました。以下に紹介します。

1)ソーシャルレンディングが国内で広まっている。最近知った人は10%という高利回りを見て、ハイリスクハイリターンの運用と考えるだろう。

2)デフォルトによる全損を心配している方が多いと思う。
上記2つの図の「丁半博打から資産運用へ」の下線は私が引きました

※上記図の左側が丁半博打で振れ幅の大きい株式投資、右側が振れ幅が小さく資産が着実に増えるソーシャルレンディング(ローン投資)
3)しかしソーシャルレンディング(ローン投資)はそういうものではない。分散投資をおこない、デフォルトが起きてもそれを他のファンドから得られる金利で吸収する。結果的に複利的な運用で資産を増やしていける。そのこと肌感覚で掴んでもらえるように頑張っていきたい。
4)他の株式・FXなどの値幅の大きい投資商品よりも、ソーシャルレンディングはボラティリティ(振れ幅)の小さい、安定して運用できる投資商品であることを広めていきたい。
とのことです。
※ファイアフェレットからの解説
ソーシャルレンディング(ローン投資)は、株式投資のような値動きが激しい投資よりも着実に、安定的に資産を増やせる。
というのはこの運用報告会のテーマだと私は考えています。杉山社長はあからさまに株式やFXよりもソーシャルレンディングの方が優れた投資方法であるとは、おっしゃりませんでした。ただし上の引用図に
丁半博打から資産運用へ
と書いてあるように、一般的な日本の投資家には当たり外れの大きい株式投資に傾倒するよりも、ソーシャルレンディングをポートフェリオに加えることにより、資産を安定的に、複利的に増やしていって欲しい。そういった思いを感じられる報告会でした。
もちろん資産を増やす運用方法には注意点はあります。
投資家が、リスクの源泉が大きく異なる複数の案件に分散投資をすることが必須です。
繰り返しになりますが、このことこそクラウドクレジットがこの運用報告会で提言する、新しい投資手法であると私は考えます。ローン投資(ソーシャルレンディング)にて、様々な案件に分散投資を行い、その償還される資金を再投資することにより、複利的な運用を行う。デフォルトの損失は利息でカバーする。
2-2.UI/UXの進化
現状のクラウドクレジットの資産管理画面では各案件において、投資していただいているポートフォリ画面は利回り、期待リターンなどが掴みにくいことは自覚している。そこでこの半年、ポジション一括機能とシミュレーション機能の導入を進めている。
2-2-A ポジション一括機能

ペルー、カメルーン、欧州などクラウドクレジットのファンドに幅広く投資している人が、ポートフォリオ全体でどのようなパフォーマンスをだしているかを掴める機能を提供する。
2-2-Bシミュレーション機能

元利均等、満期一括の案件で戻ってくるリターンと元本を投資家に伝えて、無駄なく投資することを助ける機能。また為替、ファンドのパフォーマンスも計算して、戻ってきた金額を他のプラットフォームで運用するも、クラウドクレジットで再投資するにしても、ポートフェリオ全体がどうように推移するかをシミレーションできる。
とのことです。
2-3.プロダクツの充実
ファンドとして収益をあげてなんぼなので、現状10種類のファンドに加えて15~20種類ののファンドの提供を検討している。リサーチを行っている国は13ある。

(現在ファンド組成を検討中の国)
すべてが提供できるわけではない、これではお客さんに提供できないと中止されるものも、来年以降に延期されるものもあるかもしれない。
とのことです。
3. 各ファンド運用報告まとめ
以下、商品部長の依田雅彦氏にバトンタッチされ、各ファンドの運用説明がありました。次回から順番にご紹介します。
しかし全ファンドの運用報告から、私個人の総括、まとめはもうできているので、それは今回お伝えします。
運用報告がされた全10ファンドにおける運用状況は以下のとおりです。
A:元本、利回りともに想定通り順調に運用されているもの
・ペルー小口債務者支援ファンド
・東欧金融業者支援ファンド
・ジョージアマイクロローン事業者支援ファンド
・マイクロローン事業者支援ファンド
・リトアニア個人向けローンファンド
・バルト三国自動車リースファンド
・欧州3ヶ国個人向けローンファンド(バランス、リスク低減型)
B:元本毀損の可能性は少ないが、想定通りのリターン分配に懸念があるもの
・カメルーン中小企業支援プロジェクト
・北欧個人向けローンファンド・
・イタリア消費者ローンファンド
C:元本毀損の可能性があるもの
・欧州3ヶ国個人向けローンファンド(ハイイールド型)
Bにカテゴライズされるものでも、その全額に懸念が生じているわけではありません。
配布された資料を元に、運用されている約16億円の運用状況割合を算出してみました。

(この表はクリックすると大きくなります)

順調に運用されているものは77.7%、遅滞・利回り低下の恐れがあるもの12.5%、元本損失の恐れがあるもの9.9%となっています。ただしソーシャルレンディングという投資の性格上9.9%、約1億6千万円の全額が毀損する、というものではありません(貸付債権は消えないから)。回収に全力をあてること、また元本毀損は決まった話ではないことは、私が説明会で依田氏に質問して、確認して参りました。
元本損失の恐れ、遅滞利回り低下懸念の額の割合が高いかどうかの判断はご覧になった方にお任せします。私個人は許容範囲であると考えています。その理由は次回以降に説明します。
このまとめを作成するにあたって、数字を拾った運用報告会資料はクラウドクレジット

10ファンドの中で元本損失の恐れがあるのは、現時点では欧州3ヶ国個人向けローンファンド(ハイイールド型)のみです。同ファンドはハイイールド型、バランス型、リスク低減型と3タイプあります。その中で、リスクとリターンが最も高いものを選択して、投資したのですから、一方的にクラウドクレジットを責めるのは筋違いでしょう。上記表のとおりバランス型とリスク低減型は安定して運用されています。

かくいう私も欲張ってハイイールドに70万円ほど投資しました(元本の残額は60万円ほど)。
私への分配状況は当ブログでご報告しますので、ご注目いただければ幸いです。
別個のファンド運用状況の報告は次回からにさせてください。
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