ソーシャルレンディング各社、各サービス比較2015年11月期 前編
※各社、各社案件比較表は最後に掲載しています
2015年11月期のソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)の業界情報まとめ、サービス提供各社の比較データを私の知る限り報告します。今回は前編です。
A ハーバービジネスオンラインでソーシャルレンディングが取り上げられました。
ハーバービジネスオンラインに『ITで金融と投資が変わる。フィンテック企業で注目を集める「ソーシャルレンディング」』と題した記事が掲載されました。
三大フィンテックとして「オンラインペイメント」、「ロボアドバイザー」、「ソーシャルレンディング」を挙げその中でもソーシャルレンディングが一般投資家にとって「注目すべき存在」として持ち上げてくれています。
ソーシャルレンディングとは何か?という問にクラウドクレジットの杉山智行社長がインタビューに応えられています。
世界のソーシャルレンディング市場は2014年時点で約一兆円(日本は150~160億円程度)、今後10年で100~300兆円になるというすさまじい予想が紹介されています。ご参照下さい。
B 新サービスの動きについて
(株)ブルーウォールジャパンが2015年12月に、(株)クラウドリアリティが2016年3月を予定としてソーシャルレンディングサービスを立ち上げようとしていることは、先日のトラストレンディングについての記事でも触れました。今回改めて紹介いたします。
(株)ブルーウォールジャパンは「モチベーション」にフォーカスした「モチベーションエンジニアリング」を基にベンチャー企業から大手企業まで資金ニーズにソーシャルレンディングで応える事業を始める模様です(ニュースリリース)。
(株)クラウドリアルティは建築コストが高い都市部よりも、リノベーションなどで不動産価値が高まりやすい地方の収益物件(賃貸住宅等)にフォーカスしてサービスを行う模様です。
(株)クラウドリアルティの鬼頭武嗣代表取締役は地方創生への貢献による社会的意義の大事さ、投資先不動産を匿名にしないことを述べられています。融資型ではなく事業投資型を意図されているのかもしれません(ニュース記事)。
上記2社に加えてさらにJALCOホールディングス(株)がソーシャルレンディングサービスを開始することを発表しました。JALCOホールディングス(株)はアミューズメント業界、いわゆるパチンコホールの経営マネジメントサービスを行う会社です。JASDAQに上場しています。
アミューズメント企業への資金貸付をすでに行っていますが、その規模の拡大に伴い資金調達能力が追いつかなくなり、ソーシャルレンディングにおいて資金を募る模様です(IR情報を参照)。
初回案件募集開始はこちらのニュース記事では2015年12月上旬とのことです。
私が興味深く思ったのはIR情報にソーシャルレンディングの開始のための支出として「システム開発関連費用 40 百万円、マーケティング費用 20 百万円」と書かれていること。製造業に務めている人間の感覚ですと「安い」と感じられるのですが、ネットサービス事業の相場としてはどうなのでしょうか?
2016/1/13追記
上記JALCOホールディングス(株)が始めるサービス名は「J.Lending」、運営会社はジャルコ(株)です。2015年12月にサービスを開始しました。
C ダイアモンドオンラインで海外ソーシャルレンディングについて取り上げられました
ダイヤモンドオンラインに「銀行の利益が6割減、フィンテックがもたらす破壊的影響」と題した記事が掲載されました(著者は野口悠紀雄早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問)。
記事の趣旨はフィンテックの台頭による従来の銀行の存在意義縮小と利益減の怖れ、日本の金融機関の対応の遅れに警鐘を鳴らすものです。
フィンテックの中でもソーシャルレンディングの例としてアメリカのレンディングクラブ、中国のアリババが取り上げられています。ただし日本のソーシャルレンディングについては一言も触れられていません。
私はこのことを野口悠紀雄氏が(日本の非投資型クラウドファンディングに携わるごく一部の人のように)日本のソーシャルレンディングを蔑視、軽視しているからとは思えません。『そもそも現状の日本のソーシャルレンディングは果たして「フィンテック」と言えるのか?』ということ自体に問題があると思います。この事については機会があれば別途述べたいと思います。
今回はここまでにさせてください。
次回記事
ソーシャルレンディング各社、各サービス比較2015年11月期 後編)
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ソーシャルレンディング主要サービス運営会社比較表
2015年11月時点ソーシャルレンディングサービス提供社比較

※1 前前身のディー・ブレイン証券の設立は1997年7月(前身はみどり証券)
※2 見やすいように適当に値を丸めた
ソーシャルレンディング主要サービス案件比較表
2015年11月時点ソーシャルレンディングサービス提供案件比較

※1 募集実績は2015/10/31時点(SBISLのみ2015/10/10)
※2 各投資案件が示した利率から業者手数料と税金分を差し引いた値を示した
※3 早期返済が明記されていないもの、実績が無いものは全て無しと記載
サービス数増加にともない、表を原寸表示するのは今月から諦めてサムネイルの形で掲載します。クリックすれば拡大されます。
各社募集実績の求め方
AQUSH:WEBサイトと月始めに送られてくる投資家向けのメール記載情報から
maneo:ホームページに表示してある「成立ローン総額」を丸呑み
クラウドバンク:WEBサイトの「ファンド一覧」から募集が終了したファンドの合計額から
SBIソーシャルレンディング:WEBサイトの「投資家用ページ」へログイン後、各ファンドの運用状況から
クラウドクレジット:ホームページに表示してある「成約ローン総額」を丸呑み
ラッキーバンク:ホームページに表示してある「募集調達金額」を丸呑み
オーナーズブック:WEBサイトの「投資案件一覧」から募集完了したファンドの合計額から
スマートエクイティ WEBサイトの商品一覧から募集が終了したファンドの合計額から
LCレンディング:ホームページの「成立ローン総額」を丸呑み
ガイアファンディング:ホームページの「成立ローン総額」を丸呑み
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2015-11-17 │ ソーシャルレンディングサービス比較 │ コメント : 4 │ トラックバック : 0 │ Edit