クラウドクレジット開催「ペルー・小口債務者支援プロジェクト運用報告会」に参加しました その2
クラウドクレジット

1. クラウドクレジットの企業ビジョン
2. ペルーの財政についての説明(なぜペルーを投資対象国に選んだのか)
3. ペルーの不良債権市場の概要説明
を取り上げて、ペルーでは経済発展とともに銀行ローン貸出残高が増え、必然的に不良債権も増えていること。またその不良債権を銀行から安価で買い取って、債務者から回収を行いその利ざやを収益等する会社(以下回収業者)が成長を続けていることをお伝えしました。
今回は
4. クラウドクレジットの金融商品「ペルー小口債務者支援プロジェクト」の説明
5. 「ペルー小口債務者支援プロジェクト」の投資パフォーマンスの報告
をお伝えしたいと思います。
4.クラウドクレジットの金融商品「ペルー小口債務者支援プロジェクト」の説明

ペルーにおける債権回収業務は10%を超える期待利回りを投資家にもたらすことが期待できます。
その債権回収業務が債務者と債権者双方に良い内容となっていることがその理由として挙げられます。

債務者(借り手)にとっても、破産法が未整備な国において借金の減免が受けられ、負担を減らし生活の再建を行える仕組みとなっています。借り手にとって借金返済へのインセンティブが得やすいようになっているのです。ですからファンド名に「支援」という文字が入っているのです。

不良債権の売り手である銀行にもメリットがあります。長期延滞している不良債権を抱えていると、その貸し倒れ金を積み立てておかなければいけません。不良債権を回収業者に売り払うことによりバランスシートの健全化が図られ、本業に集中できます。

これがクラウドクレジット


投資スキームはこちら、

業務フローはこちら
簡単に言うと
1. 私達がクラウドクレジットに投資
2. クラウドクレジットはその資金をペルー子会社(CrowdCreditPeru)に貸付
3. その資金を元手にペルー子会社は不良債権を銀行から購入
4. ペルー子会社はKOBRANZASのその不良債権回収を委託
5. その結果得られた利益を投資家と関わった会社で山分け
といった流れとなります。なお子会社に資金の貸付を行っている理由としては
1.現地に子会社をもうけることにより好条件の債権を機動的に購入するため
2.複数のファンドに対する投資家への利益還元をフラットにするため
とのことでした。2についてですが本当にファンドごとの分配にすると、それぞれの利益達成率によりパフォーマンスがバラバラになりますが、クラウドクレジットが子会社に貸付を行い、その返済金を割当るという形にすれば安定した利益を投資家に分配しやすくなるためと、私は理解しました。
さてペルーでは前述の理由で債権回収業が成長中であり沢山の会社があると述べましたが、なぜその中でKOBRANZASとクラウドクレジットは提携したのか?

KOBRANZASはペルー資本の延滞債権回収業者では業界1位です。代表のAna Vera Talledo氏は弁護士出身であり、15年に渡り債権者の社会復帰に取り組んでいます。

他にも大きな債権回収会社はあるのですが、そういいった会社は親受けみたいなものであり、銀行から買い取った債権の回収業務をさらに他の会社に再委託していたり、コロンビア資本だったりします。
それに対してKOBRANZASは従業員を720人、国内拠点を11箇所抱え、債権回収業務を直接行っています。そして前述の通りペルー資本です。クラウドクレジットは再委託のリスクを避けるためまた地場の企業でありペルーの不良債権に最も精通しているとの判断からKOBRANZASと提携し、債権回収を任せることしたとのことです。
再委託のリスク:債権回収委託先が更に他の会社に再委託したら管理がややこしくなるということです。

上ではサラッとKOBRANZASと提携した理由を説明してしまいまいしたが、そこに至るまでは様々な折衝、交流があったものと思われます。それを伝えてくれる図をいくつか。
1~4までで、クラウドクレジットの「ペルー・小口債務者支援プロジェクト」がスタッフによる、ペルーとその提携先の徹底的な研究によるものだということを示せたでしょうか。
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5.「ペルー小口債務者支援プロジェクト」の投資パフォーマンスの報告
ではいよいよ投資パフォーマンスの報告です。
実は資金の回収、分配スキーム、その流れや回収にかかる時間などを詳しく説明してもらったのですが、正直うまく説明する自信がありません。もう投資パフォーマンスだけに絞って話をさせてください。

まずこのファンドにおけるリスクを3つ挙げます。
1.延滞債権回収に失敗するリスク
2.為替損失によるリスク
3.クラウドクレジットとペルー提携会社(KOBRANZAS)の倒産リスク
です
この3つのリスクを乗り越えてこそ、このファンドは私達投資家に利益を還元できることになります。3.について流石に説明はなかったので(笑)1.2について述べます。

まずは2.の為替リスクに対する懸念を説明します。クラウドクレジットは「円建て」で子会社に貸付を行います。ですから為替リスクは子会社が負うことになります。すなわち債権回収が順調に行われ、ペルー子会社に資金の余裕があるうちは為替の影響を受けにくいということになります。これが「ソル建て」で行われていたら、子会社に資金に余裕があっても為替リスクを負うことになります。
ただし円とソルは直接交換できないのでドルにいったん交換する必要があり、これが3日ほどかかるとのことです。この3日だけは為替リスクが発生するとのことです。もちろん相場が有利に動けばリスクではなく、得となることもあります。
これで「債権回収さえ順調に行われており、資金が潤沢にクラウドクレジット子会社にあれば」為替リスクを乗り越えて投資家に配当が行われるということになりました。
ではクラウドクレジット


この図のおける青い線が子会社の口座残高イメージです。オレンジ色の縦棒が不良債権回収金額です。6ヶ月目まで順調に口座残高が増えていることがわかります。そして6ヶ月目から横ばいになっていき、段々と減少していくことがわかります。
つまり運用開始6ヶ月までは債権回収だけを行い、投資家に分配を行わないので子会社の口座残高は積み上がります。しかし6ヶ月目からは投資家に分配を始めるので(灰色の棒グラフで表示)収支がプラマイ0に近くなり口座残高は横ばいになります。
そしてファンドの運用が終わりに近づくにつれて、回収できる金額が減っていくので、投資家に安定した分配を行っていく分残高は減っていきます。また36ヶ月の運用を終えて配当をし終わってもちゃんと、口座残高が残っていることが解ります。
なお上記の図は単独のファンドでみたビジョンです。実際にはファンドを何号も重ねて応募していくので順調に投資家資金が集まれば口座残高は増えていくことになります。
上記は実態に沿ったものではありますが、飽くまでイメージです。

こちらが実際の回収金管理講座の資金状況の推移です。順調に回収が行われ資金が積み上がっていっています。

こちらが推移予想。現在時点より順調に増えていき、2016年末では2000万円弱の滞留が期待されています。
もうこれで「回収はうまくいっているのか」の答えは出ていると思います。
回収状況、収益率は具体的な値で示されました。

クラウドクレジット子会社は現状4つの銀行(GNB、Ripley、Financiero、intebank)から債権を買い取り、回収を委託しています。回収状況はグラフにするとこんな具合。

結論からするとこうなります。現状4行の平均では34.2%の収益率がでています。当初の期待収益率が31.1%ですので達成率は111%、つまり予想を11%上回る結果と現在なっていることがわかります。
この高パフォーマンスはFinanciero銀行から買い取った債権からの収益率が達成率160%という高い収益率を挙げているからということも読み取れます。最も低い収益率と思っていたところが最も高い値を挙げてくれ、結果として平均の達成率を予想より上回ることになったという皮肉な結果となっているのですね。
正直な発表だと感じました。あと達成率が未達(100%に届かない)他の3行も収益率は18.8%~37.9%という高い収益率を挙げており、決してマイナスではないことにご留意下さい。

債権回収の今後の見込みです。ノウハウが蓄積されて行くことにより達成率は安定するとのことです。

今後の運用方針です。「30~35%の収益率」を目指すとのことです。為替ヘッジもおこなうとのことです。
真ん中の2文は正直良く私にはわかりません。勉強しなおして参ります。

さて最後に私個人の話を、私が投資しているペルーファンド4号は先々月から分配が始まり、先々月、先月の利益率は税引き後30%弱(年利換算)となりました。
今月からは元利均等的な分配になるので利益率は減るのですがそれでも税引き後13.6%という、ファンド募集時の期待利回り11.1%(税引き前、税引き後は9.3%)を遥かに上回るスコアを叩き出しています。ぜひぜひ、この調子で順調に償還を続けて欲しいと考えています。
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2015-10-16 │ クラウドクレジット │ コメント : 6 │ トラックバック : 1 │ Edit