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    ソーシャルレンディングではなぜ投資先の情報を公開できないかを考えてみた その4


     前回までは同じ投資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)でも、なぜセキュリテは投資先の情報公開が許され、貸付型において行う場合は許されないのか?を図を用いて説明を試みました。

    結論からすると

    「貸金業」の債権取り立ての権利は強いし、免許も必要なのだ。監督行政としては間接的だからといって免許を持たない一般投資家にその仕組を使って利益を得る行為は看過できない。だからといって始まってから5年以上が経過したサービスを今さら停止にもできない。だから妥協の結果として「匿名化」となったのだろう……

    となります。あくまで私の推測ですが。

     あと貸付先の「複数化」も同様の配慮と言えます。「貸金業法に則った形で融資して利益を得るファンドを募る場合、出資者に融資先の情報を詳細に公開してはいけないという法律は無い」と書きましたように、これら(匿名化・複数可)は飽くまで、私達投資家が貸金業法を営んでいるようにならないようにとの監督行政の「指導」なのです。

     「しかし間接的に貸付しているのだからやっぱり良いのでは?」と考える方もいらっしゃると思います。飽くまで貸しているのはソーシャルレンディングサービス提供会社なのだし、我々投資家が直接金を貸しているのではありません。

     我々投資家はソーシャルレンディングサービス提供会社が販売しているファンドを購入しているだけですし、そもそも事業者から債権を取り立てる権利もありません。前々回と前回の記事で図を用いて示したように。やはり免許は必要無いのではないでしょうか?

     例えば消費者金融会社の株式を購入してその配当を得る人も「間接的に金を貸している」といってもいいと思います。株主資本により会社は経営を行っているのですから、貸金業者が貸し出すお金は資本家の投資資金であるはずです。ソーシャルレンディング投資家と同じ立場であるはずです。しかしその投資家は貸金業を営んでいるとは言われないはずです。 

     貸金業の株主が貸付先の情報をどこまで知ることができるか私は存じません。しかしそれなりに有力な株主だったら投資先の会社がどのような貸付先に投資しているかを知る権利はあって然るべきだと思います。

     実際その投資家が情報開示を要求したとしても監督行政がその株主に貸金業の免許を要求するとは到底思えません。大きな損失が起きた場合、起きなくても大大口の貸出先の名前を株主は知る権利があるでしょう。

     ここで再び、なぜソーシャルレンディングの投資家には投資先情報を公開できないのだ?という疑問がでてきます。ではここでセキュリテ投資家、貸金業者株式投資家そしてソーシャルレンディング投資家がどのように利益を得ているかを図にしてみようと思います。

    セキュリテ投資家の場合、貸金業者株式投資家の場合をまず比較します。

    セキュリテSnapCrab_NoName_2015-8-30

     セキュリテ投資家に配当が行われる場合をまず考えてみましょう。事業者は儲かれば配当をだしますが、その配当は当然利益から出てきます。この利益は当然「税引き後利益」です。法人税が既に引かれているのです。セキュリテ投資家はさらにその配当から税金を納めなければいけません。これが悪名高い二重課税です。

    貸金業者株式SnapCrab_NoName_2015-8-30

     一方、貸金業者株式投資家が株式配当を受け取る場合、貸付先からの利息により貸金業者が挙げた利益から出ることになります。利息は支出ですから、貸金業者に支払われた時点では法人税は引かれていません。

     しかし貸金業者は利益が上がれば当然法人税を払います。その後残った利益を投資家に配当するわけですが、その後投資家はやはり税金を納めなければいけません。やはり二重課税です。一般的にこちらの株式配当の二重課税の方が良く槍玉に上げられますね。

     セキュリテ投資家も株式投資家も仲良く二重課税されています。では私達ソーシャルレンディングの投資家はどうなっているのでしょうか?それは次回からにさせてください。

    次回記事
    なぜソーシャルレンディングでは投資先の情報を公開できないかを考えてみた その5

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