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    Fundsコンプライアンス担当、髙尾知達弁護士のソーシャルレンディング規制の今まで、よりよい業界のための提言 その1


     Fundsを運営する株式会社クラウドポートのリーガル・コンプライアンス部長である髙尾知達弁護士の論説が雑誌「金融法務事情2019年06月10日号」に掲載されました。



    論説タイトルは

    転換期を迎えた融資型クラウドファンディング-規制の展開とこれからの課題-

    です。
    金融法務事情2019年06月10日号20190617
    ※クリックすれば大きくなります。

     融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)に対しての課題、匿名解除までの経緯を丁寧に説明し、より良い金融商品にするための提言も盛り込まれた大変意欲的、またソーシャルレンディングの投資家として注目の内容です。

    ぜひ当ブログでご紹介させていただきたいと思います。

    内容に入る前に髙尾弁護士のプロフィールを簡単に紹介します。

    髙尾知達
    大阪大学法学部卒・早稲田大学法務研究科修了。DeNAで法務業務、大和証券で株式公開に向けたアドバイザリー業務を経験し、2017年にクラウドポートに入社、2019年5月からリーガル・コンプライアンス部長。


    弁護士さんとしては変わった経歴ですが、ITと金融の両方で業務経験があります。

    さて、同論説は下記前書きより始まります。

    転換期を迎えた融資型クラウドファンディング-規制の展開とこれからの課題-

     オンラインで融資を仲介する仕組みは、海外ではP2Pレンディングと呼ばれ、2005年に英国でサービスが提供されて以降、銀行等の金融機関を通じた融資に代替する新たな金融手法として注目されてきた。
     我が国では匿名組合契約を用いたスキームが「融資型(貸付型)クラウドファンディング」として定着しており、2017年度の調達金額は約1534億円に到達するなど、資金需要者の迅速な借入手段としてこの数年で着実に普及しつつある。

     融資型クラウドファンディングは、比較的少額から投資可能な利回り予定型の金融商品であることから、個人投資家の資産運用先として今後さらなる利用拡大の可能性がある一方で、情報開示や資金使途をめぐり一部のサービス提供者に対して金融庁が処分を行うなど問題も露呈している。

     こうした状況を踏まえて、自主規制機関である第二種金融商品取引業協会(以下「二種業協会」という)が中心となり、業界に対する規制・ルールの整備が進められてきた。

     本稿では、上記の流れの中で、情報開示の充実を図る際のハードルとなっていた「匿名化・複数化」の要請が今年3月に公表された法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)における金融庁の回答を契機に見直されたことを転換点と捉え、ここに至るまでの規制の展開を概観するとともに、今後検討すべき課題について考察する。

     なお、本稿において、意見・分析にわたる部分は個人的見解であり、筆者が所属する組織・団体の見解ではないことを申し添える。


    以下、
    ①融資型クラウドファンディングの概要
    ②「事業型ファンドの私募の取扱い等に関する規則」による制度枠組み
    ③「ファンドの分別管理・金銭の預託に関するQ&A【新訂】の公表
    ④「匿名化・複数化」要請の見直し
    ⑤今後検討すべき課題(私見)


    の大きく分けて5章(8ページ)から髙尾知達弁護士の論説は構成されています。

     大変丁寧な説明がされており、ソーシャルレンディングの法的立場を理解するにはうってつけの論説ですが、本記事では、①~④までについては、私が特に「新事実・注目点」と判断した箇所だけを抜書きして、皆様にお伝えします。

     なお、髙尾知達弁護士の論説では「融資型クラウドファンディング」のみが用いられ「ソーシャルレンディング」は1つも使用されていませんが、本記事では混乱を避けるため、論説からの引用部分を除いて「ソーシャルレンディング」に統一させていただきます。
    ※以下より髙尾弁護士の論説の引用、もしくは概要部分は青字

    Funds 公式サイトへ

    「①融資型クラウドファンディングの概要」のポイント


    ①-1 ソーシャルレンディングの事業者が第二種金融商品取引業登録を要しない場合


     集団投資スキームの金融商品(投資型クラウドファンディング)の募集は本来、第二種金融商品取引業の登録が必要である。ただ、第二種金融商品取引業の登録をしている募集取扱者に勧誘を完全に委託する場合、2007年7月31日付の金融庁パブリックコメントの金融庁の回答により、事業者について登録は不要とされた。

     maneoファミリーの事業者の多くはこのパブコメを根拠に、第二種金融商品取引業の登録を行わず、実施的に金融商品の販売が行えていました。

     maneoも含めて11あるmaneoファミリーの中で4つ(ガイアファンディング、クラウドリース、グリーンインフラレンディング、キャッシュフローファイナンス)が全案件遅延という問題を引き起こした事実は問題視すべきです。勧誘の委託を受ける二種業者はそれだけ責任が重いといえます。

     投資家保護をより推進するための仕組みを設ける必要がありますが、髙尾弁護士からの提言(後述)にはそれが記されています。


    ①-2 ソーシャルレンディングは金商法の開示規制の対象外


    「開示規制」とは簡単に言えば、金融商品における投資家への情報開示義務のこと (金商法2章)
    ただし、金商法の規定では出資金を有価証券に対する投資ではなく、貸付に当てることから投資運用業に当たらず、開示規制も適用されない(同法3条3号)。


     本来投資家への情報開示が徹底されるべき金融商品で匿名化の指導が行われることが許されたのは、どうもここらあたりに法的根拠がありそうです。

    Funds 公式サイトへ

    ②「事業型ファンドの私募の取扱い等に関する規則」による制度枠組みのポイント


    ②-1 国内クラウドファンディングの転機、ただしソーシャルレンディングは除外


     クラウドファンディングは2013年6月14日の閣議決定(第2次安倍内閣時)された日本再興戦略で検討の俎上に載せられ、金融審議会の審議を経て同年12月適切な情報提供のための体制整備の方針が示される。
     2014年5月の金商法改正、2015年5月の二種業協会の「電子申込型電子募集取扱業務等に関する規則」の制定で、投資型クラウドファンディングの制度整備が結実。ただしソーシャルレンディングは対象外。
     2017年2月に投資家への情報提供の確保等を検討するための「第二種金融商品取引業者の機能の向上、信頼性の確保に関する検討部会」を二種業協会は設置した。


     金商法改正の2014年5月といえば、金融庁による匿名化指導が行われ始めたころのはず。法令改正でソーシャルレンディングが対象外となった経緯にどうも関係がありそうです。匿名化にしたらみんなのクレジットが大問題引き起こし行政処分されることになった(2017年3月)。だからその前に慌てて当局は検討部会を二種業協会に設置させたということでしょうか。実に長い3年でした。


    ②-2 ソーシャルレンディングは電子募集取扱業務の対象外


     上記検討部会は集中的に審議を行い、2017年6月19日に「事業型ファンドの私募の取扱等に関する規則」が制定された。匿名組合のファンドをネットで募集するには電子募集取扱業務(電子申込型電子募集取扱業務等)の登録が必要だ。しかし融資を行うソーシャルレンディングは適用が除外された。ただし、投資家保護が必要であるため二種業協会によって様々なルールが定められた。

     この「ソーシャルレンディングは適用対象外」は少し甘いのでは?とSAMURAI証券の澤田聖陽社長は述べています。

    参考
    SAMURAIセミナー(2018年11月)報告 その4

     検討部会が設置された2017年2月におけるソーシャルレンディングの累計募集額は約1,298億円。すでに20弱の業者が参加しているころでした。匿名化指導があった前後と思われる2014年5月時点ではわずか3社(maneo、AQUSH、SBIソーシャルレンディング)、累計募集額は300億円未満。

     急成長の背景には匿名化があり、電子募集取扱業務の適用外とされたのは業界の抵抗があったのかもしれません。ただしその一方で、顧客に対する情報提供、継続監視、決算報告、モニタリングなどの規定により、ソーシャルレンディングの基本的な制度枠組みが整備されたことは評価できるものでした。

    今回はここまでにさせてください。

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    2019/6/21 Fundsコンプライアンス担当、髙尾知達弁護士のソーシャルレンディング規制の今まで、よりよい業界のための提言 その2
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