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    先にいただいた「匿名化」に関する質問にご回答します

    昨日投稿した記事

    2017/9/6 日経ヴァリタス2017年7月16日号でソーシャルレンディングが取り上げられました。 その2

    にご質問をいただきました。私が日頃、ブログに書いている

    「金融庁はソーシャルレンディングにおける匿名化規制を緩和する(なくす)べきだ」

    という主張に関する質問です。引用します。

    「匿名化」規制がなくなった場合、借金してることが不特定多数に公になるわけですから、ソーシャルレンディングで借り入れすることを躊躇する企業が増え、結果的に組成できる案件が減ってしまうという恐れはないでしょうか。借り手にとっても、やはりリスクやデメリットが大きいような気がしますが、その点についてファイアフェレット様はどうお考えでしょうか。


    回答が長くなったので、一つの記事にしました。

    1.私が現在のソーシャルレンディングにおける匿名化の規制をどう考えているのか、
    2.どうなることを望んでいるのか


    上記の質問に回答する形で記事を書いてみたいと思います。


    コメントをどうもありがとうございます。

    質問にご回答します。便宜上「質問者さん」と呼ぶことをお許しください。

    質問者さんが懸念されている

    「借金をしていることが不特定多数に明らかになる、それが故に借り入れを躊躇する企業が増え、案件組成が減る、リスク、デメリットが大きい」は

    「借り手の情報を公開すること」

    が強制となれば、その可能性はあるかと思います。

    ただし、私が望んでいるのは現段階では

    金融庁による、「匿名化」規制の緩和

    です。

    ソーシャルレンディング運営会社による「融資先情報」全ての開示

    では現段階ではありません。その点をご理解いただければ幸いです。


    まずは、金融庁に規制を解除してもらうことが先決です。

     後は運営会社が借り手の名前も含めて、「どれだけ情報を開示するか」を任意に決めて、案件を募集すればよいかと思います。

     maneoでは2014年に金融庁から匿名化の指導を受けるまでは、会社名を公開して行う募集と、非公開にして募集していた時代がありました(その前はほぼ全部の借り手の名前を公開して募集していた時代もありました)。

    公開と非公開の案件を混ぜて募集していた時代に戻ればよいと「まずは」考えています。

     質問者さんが心配されることを懸念する企業は非公開で、公開を懸念しない企業は公開で募集すれば良いと思います。

    企業名を公開して募集を行うことは質問者さんが想定しているデメリットだけではありません。

     たとえばmaneoが企業名を公開して募集していた頃、レイス治療院が借り手であった案件がありました。

     レイス治療院はmaneoで資金を募集することをポジティブに捉えていました。maneoのHPに掲載されることが宣伝になるというのがその理由でした。

    「いやいや、maneoさんのホームページ上にリストアップされることで、ウチにとっては、我が社の事業について周知し、理解していただくための格好の「広告」になるんですよ。お支払いする金利は、いわば『広告宣伝費』のようなものですね」-みんなと幸せになるお金の使い方-妹尾賢俊氏著-105Pより




     またハウスメーカーのドリーミングハウスが借り手の、かつての人気案件があります。高利回り(最大で確か7.5%)がその理由です。返済実績を重ねるにつれ同案件の利回りは5か6%まで低下していきましたが、それでも人気案件でした。
     匿名ではなかったからこそ、投資家の信頼を集められ信用が高まったゆえの動きでした。

    企業名を公開して募集を行うことは、

    企業の業績が順調なことを示せる、投資家の信頼と一体感を得られる

    というメリットもあるのです。デメリットだけではありません。


     下記リンクが当時のレイス治療院とドリーミングハウスの案件説明ページです

    01_maneo_217080601.png

    Leis x maneo 貸出期間は4ヶ月!返済代り金は国・自治体・健保組合から!
    訪問医療マッサージ事業をみんなで支援!10月募集分


    Leis x maneo 取材突撃レポート

    02_maneo_217080601.png

    ドリーミングハウスx maneo第21弾 八王子エリア(全3棟)分譲住宅プロジェクトへの投資UBI保証


    また、年始めに借り手から投資家へ年頭の挨拶が行われていたこともありました)

    03_maneo_217080601.png

    借り手からの年頭のご挨拶(2014年のもの)

    いまよりずっと、借り手に親しみを持てる時代でした。


    閑話休題

    金融庁から仮に規制が緩和された後の話をしたいと思います。

     繰り返しになりますが案件募集の際には、メリットとデメリットを秤にかけて、借り手(運営会社)は公開・非公開を選択、また公開する際にはその情報の程度を調整するようにすれば良いと思います。

     情報が金融庁の指導により非公開な現状では、雑誌、ニュース、新聞などでソーシャルレンディングが識者に評論される際に

    「ソーシャルレンディングでは借り手の詳細な情報公開ができない、案件の内容が不透明」

    と書かれてしまうことが避けられません。

    またみんなのクレジットが行ったように、

    「金融庁の指導に従い投資家に融資先の情報を伏せた。一つの企業に融資が集中していることを投資家にわからないようにした。一つの会社へ融資する案件を、募集号が異なる時はあたかも別々の会社に融資するように会社説明を変えた」

    と似たようなことが(悪意がないとしても)繰り返され、投資家に誤解を与える可能性があります。

    どれだけの情報を公開して、どれだけの情報を伏せればよいのか?

    その匙加減は私には判断できません。借り手企業の状況、案件の内容によっても異なるでしょう。

     しかし金融庁に規制されている現状では、一律非公開にするしかありません。

     それ故に上記のような問題・非難が残ってしまいます。ソーシャルレンディングはいつまでも「投資先の中身が分からない怪しいファンド」のままでしょう。

    それが私には無念でなりません。

    それ故に「まず」

    金融庁による規制の緩和

    を私はまず求めます。

    規制が緩和されれば、後は運営会社個別の問題となります。

     オーナーズブックLCレンディングトラストレンディングのように融資先の情報が公開できるならば、行いたいと表明している運営会社もあります。

     逆に質問者さんが提示された「懸念」が理由で、あまり公開を望まない借り手が多い運営会社があるかもしれません。

     融資先情報を公開することにより、企業が公開を恐れ案件数が少なくなるのか、あるいは投資家の信頼を集めソーシャルレンディング投資家人口が増え、逆に案件数が多くなるのか

    それはわかりません。

    しかし私は上記の問題や非難が存在する状況は嫌なので、あくまで

    金融庁による情報開示の緩和

    を求めます。

    ひょっとしたら運営会社が誠実にやっている限りは、現在の匿名化が強制されている状態が理想なのかもしれません。

    その可能性は否定しません。

    皮肉なことにソーシャルレンディングが躍進を始めたのは匿名化が行われた2014年からとも言えます。

    もっともソーシャルレンディングの年間募集額は

    2012年:約40億円(運営会社3社)、
    2013年:約80億円(同4社)
    2014年:約160億円(同7社)
    2015年:約300億円(同12社)
    2016年:約540億円(同20社)


     ですから、躍進は2014年より前にすでに始まっており、それ故に金融庁に注目され先に規制されたとも言えます。

     金融庁からの匿名化の規制(指導)がもしなかったらとします。質問者さんがおっしゃるとおり融資を希望する企業が増えず、2017年の年間募集額が1千億超え(見込み)、運営会社が24社という状況はなかったのかもしれません。

    逆もありえます。

     金融庁からの匿名化の規制(指導)がもしなかったとします。企業名を開示して募集を行っている案件は信頼を集め低利で資金を調達できる。ソーシャルレンディングは中身の分からないファンドだと批判を浴びることがなく、投資家からの信頼は高まっており、今以上の発展があったのかもしれません。

    どちらになっていたか?またこれから匿名化規制がなくなったらどうなるか?

    それは私にはわかりません。

    匿名化規制があり続けた方がメリットは多いのではないか?デメリットだらけではひょっとしたらないのか?

    その可能性を私は否定しません。

    しかし私はそれでも、

    ソーシャルレンディングが中身の明らかでないファンド扱いされ続けること、投資家から中身が見れないこと

    がソーシャルレンディングの長期的な成長を阻害するのではないか?という懸念を捨てきれません。

    かつてmaneoが情報開示を行っていた私の主観的には「良い」時代を知っているからです。
    それ故に、私は金融庁が情報開示を許可することを求めます。


    最後に、質問に対する回答を整理して記したいと思います。

    1.質問者さんが懸念するリスクやデメリットは存在すると思います。

    2.しかし情報開示にはメリットもあることが、かつてmaneoが情報を開示して案件を募集していた時代が示しています

    3.私はソーシャルレンディングが中身の分からないファンド扱いされ続けることの、長期的なデメリットを恐れます

    4.ゆえに金融庁が匿名化の規制緩和を行うことを求めます

    5.緩和後は、運営会社が各借り手企業の事情、個別の案件を吟味し、情報開示の度合いを判斷すればよいと思います。情報開示のメリット、デメリットを秤にかけることによって。

    6.それが実現すればソーシャルレンディングは「中身が不明なファンド」と言われることが少なくなり、今以上の発展をする可能性があります。もちろん質問者さんの懸念によりその逆の事態になる可能性も否定しません


    となります。

    質問者さんへの回答にはなったでしょうか。

    ご意見をいただければ幸いです。

    2017/9/8 修正
    レイス治療院について、記憶違いによる間違った記述をしていたことを修正しました。


    2017年8月末時点で以下のサービスで資金を運用中です。
    1.maneo : 約443万円
    2.AQUSH : 約60万円
    3.クラウドバンク: 約223万円
    4.SBIソーシャルレンディング:約10万円
    5.クラウドクレジット:約254万円
    6.ラッキーバンク : 約51万円
    7.オーナーズブック:171万円
    8.LCレンディング : 約232万円
    9.ガイアファンディング : 約199万円
    10.トラストレンディング : 60万円
    11.クラウドリース : 約161万円
    12.スマートレンド : 約32万円
    13.グリーンインフラレンディング:約206万円
    14.さくらソーシャルレンディング:約62万円
    15.TATERU FUNDING:10万円
    16.クラウドリアルティ:30万円
    17.ポケットファンディング:60万円
    18.アメリカンファンディング:50万円
    19.キャッシュフローファイナンス:50万円
    20.アップルバンク:50万円
    (総額:約2,414万円)

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    コメント

    質問をした者です。わざわざ記事にして頂きありがとうございました。
    ファイアフェレット様の仰る、借り手や営業者の判断で情報の公開や非公開を選択できる緩和に私も賛成です。
    私は2013年にSBISLとAQUSHでソーシャルレンディングによる投資を開始し、2014年にはマネオでも投資を始めましたが、そう言えば昔のマネオでは企業名が公開されている案件は非常に人気があり、借り手は自社のPRにも上手く活用していたようなイメージがあります。ダーウィンの案件などは瞬殺なのでなかなか投資したくてもできなかった記憶があります。
    この度はご回答頂きありがとうございました。
    [2017/09/07 20:48] URL | T #- [ 編集 ]

    ご賛成いただき、本当にうれしいです。
    私の意見にご賛成いただき、本当にうれしいです。

    私もセミナーに参加したときや、インタビューを行っったときに
    この匿名化のことをどう考えているか?
    なにか働きかけはしているのか?

    と営業者の方々に尋ねることがありますが、
    どうも金融庁はかたくななようで
    緩和は難しそうというのが本当のところです。

    しかしこのままではソーシャルレンディングはいつまでも
    怪しいファンドのままですし、
    みんなのクレジットとおなじようなことが
    繰り返されないとも限りません。

    地道にこれからもブログで訴えかけたいと思っています。

    応援いただければ幸いです。


    [2017/09/07 21:27] URL | ファイアフェレット #rr398oDI [ 編集 ]


    応援いたします。
    また、ソーシャルレンディングの投資初期からブログを拝見し、参考にさせて頂いております。
    これからも執筆頑張ってください。
    [2017/09/07 22:35] URL | T #- [ 編集 ]


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