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    株式型クラウドファンディング FUNDINNO事業計画発表会参加報告 その1

     2017/2/20新丸の内ビルディングにある、東京21cクラブ コラボスペースにおいて、株式投資型クラウドファンディングFUNDINNOの運営会社、日本クラウドキャピタルの事業計画発表会が行われました(イベント告知ページ)。

    00_20170220_190614.jpg

    同社の大浦学COOが主に発表を行われました。

    01_20170220_190603.jpg
    右が大浦学COO、左が柴原祐喜CEO(ともに代表取締役)

    流れに沿ってその様子をお伝えします。


    1.株式型クラウドファンディングとは


     冒頭で株式型クラウドファンディングについて、他のタイプのクラウドファンディングも含めて説明がありました

    10万円のプロジェクターを製造する会社に出資(融資)するとして

    A:購入型はプロジェクターそのもの(製品)がリターン(見返り)
    B:融資型は利息がリターン

    そして
    C:株式型はその会社の株式がリターン

     株式型クラウドファンディング事業を行うには、証券会社の登録を行う必要がある。日本クラウドキャピタルは第一種少額電子募集取扱業者の登録を行い、日本証券業協会に加入した、最初の会社。


    2. FUNDINNOの目指すビジョン

     FUNDINNOは「FUND(基金)」と「INNOVATION(革新)」を併せて作った造語である。

    新しい、フェアな金融機関を作りたいという思いを込めた。

    その思いにのっとりFUNDINNOのサービスを展開していきたい。


    3.会社概要

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     五反田にあるビルの6Fにオフィスを構えているが、8Fも借りて、2フロアに増築する。
     現在の資本金は1億1千500万円、今月(2017年2月)末には増資を行う、5月か6月にさらに増資を行う予定。

     主なサービスは第一種少額電子募集取扱業者の登録に基づいた株式募集だが、他にもいろいろ付随するサービスがある(後述)


    4. 柴原祐喜CEOと大浦学COOについて

     両氏はともにビジネススクールで学んだ仲であり、柴原氏の方が1学年上、意気投合して在学中にIT系の会社を2人で起業した。なぜIT系の会社を企業したかというと、ビジネスを行っていくにあたって、IT のスキルは不可欠だと思っていたので、それのノウハウを得ておきたかったから。
     またいろいろな事業展開を行うにあったって、ポートフォリオに会社を加えておきたかったから。


    5.日本クラウドキャピタルのたちあげまで

     IT系の会社を営んでいるうちに、日本の資金調達環境についていくつか疑問を感じた。そんな中でアメリカでは株式型クラウドファンディングが4年ほど前から盛んになってきた。例えば米株式型クラウドファンディングではAngel Listがあるが、Uber、Airbnb、ポケモンGOを開発したナイアンティック・ラボがこれにより、資金調達に成功した。

    ※Angel Listについては、下記リンクが詳しい
    2015/12/7 株式投資型クラウドファンディング(エクイティクラウドファンディング)に関するリサーチ【欧米22選】( ユニバーサルバンクブログ)

     このようにアメリカでは株式型クラウドファンディングが資金調達の一般的な手段となっている。
     我々も、アメリカでシステムを作って日本に参入することを考えた。金商法の兼ね合いもあり、難しい所もあったが、2015年5月に同法が改正され、株式型クラウドファンディング事業が解禁になったので、いよいよそのシステムをもって参入しようと考えた。
     しかし実際に第一種少額電子募集取扱業者の登録を行えたのは昨年(2016年)の11月と1年半かかってしまった。
     
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     柴原祐喜CEOと大浦学COOともにITの出身であったので、証券の知識は無かった。そこで役員にリーマン、UFJモルガン、東京証券取引所の出身者の方といった、証券と金融のプロにバックオフィスに入ってもらい、体制を固めた。

    (ファイアフェレットより)


    ここでFUNDINNOの動画再生が行われました(上記のものです)。

     WEBや雑誌、新聞の記事をみただけではわからない、様々なことが事業計画発表会の冒頭で知ることができました。

     ビジネススクール在学中の起業、米国クラウドファンディング事業の導入など、私のような一般的なサラリーマンとは別次元と感じられます。しかし大浦COOの語り口はすこしも「意識の高さ」を感じさせるものではなく、実にフランクであり、地に足の着いたしっかりしたものでした。

     「5.日本クラウドキャピタルのたちあげまで」で語られた、「日本の資金調達環境における疑問」ですが、それはFUNDINNOの説明が行われる中で、間接的に語られることになります。

     登録に1年半の期間がかかったことについて、大浦COOは言葉少なでしたが、金融庁の厳しい審査を受けたものと、容易に想像できます(ソーシャルレンディング運営会社の方から、非常に厳しいときいているので)。審査を突破できたことにより、会社の体制は着実に整いつつあると感じることができました。



    6.FUNDINNOのスキームについて

     現状個人投資家がベンチャー企業に投資したくとも、なかなかできないようになっている。投資判断にはベンチャー企業の資料を全部検討する必要があるが、それを個人(少人数)で行うのは難しい。事業の専門知識が求められる場合は、特にそれが難しい。

     そこでFUNDINNOが間にはいって、資料を全部揃え、このベンチャー起業はこういう会社なのですよと、分かりやすく情報を開示する。そうして、日本におけるベンチャー投資を促進できるのではないかと考えている。

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     FUNDINNOの主な役割は証券会社として、事業者(ベンチャー企業、株式発行者)と投資家のマッチングを行うことである。

    ①FUNDINNOは事業者と投資家双方の審査を行い、適格者に参加してもらう
    ②事業者は定期的なIR情報開示を行うので、その情報を投資家に伝達するシステム構築を行う


    などのサポートをおこなっていく。

     ただし、普通の証券会社と違って、株の預かりは行わない、投資家は事業者に直接投資して、そして投資家は事業者の株主と直接なることが特徴である

     国内株式型クラウドファンディングは金商法の規制により、勧誘行為は電磁的な方法(WEB告知、メール配信など)でしか行えない、したがってこの場では、個別の案件の話はできない。その他、1企業あたり1年に募集できる金額は1億円未満、1人の投資家が1年に1企業に出資するのは50万円までという規制もある。

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    会社はフロントオフィスとバックオフィスで構成されている。

     フロントオフィスではWEBマーケティングによる集客、株式型クラウドファンディングのシステム構築を行っている。

    バックオフィスは証券、金融の出身者を配置して、株式発行体の審査を行っている。

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     昨年11月に第一種少額電子募集取扱業者の登録を行った時、日経新聞にとりあげてもらい、大きな反響があった。

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    日経BPの雑誌、日経FinTechでも細かく説明する形で取り上げてもらった

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    先日フジサンケイビジネスアイで掲載されたインタビューもヤフーニュースで配信された


    7. 日本クラウドキャピタルが目指すフェアな金融機関とは?

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    日本クラウドキャピタルはフェアな金融機関を目指す。

    このフェアとは事業者にとって、フェアという意味である。

     従来の銀行で融資が行われる際のことを考えてみよう。融資担当者がつき、融資会議が行われ、数人により融資判断、意思決定が行われるのだろう。しかしこの体制では本当の専門性のある人、業種のことがよくわかる人による、投資判断が行われるのは難しいと考えている。
     特にその対象が市場にまだ存在しないものである場合、投融資の判断は進まないだろう。

    ではFUNDINNOはどうするのか。

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     弊社ではフェアな金融機関という実績を作るために、「集合知」の概念を導入することを考えている。

     クラウドファンディングの特徴として、その金額募集の過程でいろいろな人が集まって知恵を絞ることがあげられる。個別の投資家それぞれが投資の意思決定をおこなっていくと、そこでいったん市場の意思決定も行われる形になる。これが集合知という概念が、投資に入ってくることといえる。


     ハーバードビジネススクールで、「プロの投資家」と「集合知」のどちらの投資判断にしたがった方が、リターンが高くなるのか?いう研究が行われた。Kickstarter (いわずとしれた世界最大の購入型クラウドファンディングプラットフォーム)において行われた実験では、

    A.プロの投資家が審査してOKを出した案件

    B.プロの投資家が審査してNOだったけれど、市場がOKを出して資金が集まった案件

     双方を比較したところ、「B.プロがNO、市場がOKを出した案件」の方がリターンは高くなるという結果が得られた。

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     つまり市場に判断を委ねて、集合知によりOKとされた案件の方が、高いリターンを得られる、成功率が高いという結論となった。

    その理由も研究されており、以下の3つが指摘されている。

    ①プロトタイピングとして市場の投入できる(市場に一定のニーズがある)
    ②効率的なDD(デューデリジェンス)ができる
    ③女性の意見が反映される


    ①プロトタイピングとして市場の投入できる(市場に一定のニーズがある)
     クラウドファンディングが成立するならば、ある程度のニーズがある案件であることが言える。プロトタイプの市場判断を伺うことができる。

    ②効率的なDDができる
     (銀行のように、ほんの)数人の融資担当者による投資判断が行われるわけではない。クラウドファンディングならばクラウド(大衆)により、情報が全部だされて、みんなで検討する形のDDが行われる。
     出資対象の企業の経営者が悪いことをしても、逆に良い事をしてもそれが誰かにより報告され、その情報をみんなで共有することができる。

    ③女性の意見が反映される
     世界の半分は女性なのに、企業の経営陣、従来型投資への出資者の割合は10%未満と少ない。これでは市場の判断を反映した、投資判断が行われるとは言い難い。それに対して、クラウドファンディングならばその参加者の3割が女性であり、その声を反映させることができる。したがってビジネス的な理解度が高まり、より市場の実情に沿った投資判断が行われる。

    (ファイアフェレットより)

     FUNDINNOの経営者のお二人はIT出身ですが、証券会社を営むにあたって、その業界の人材をバックオフィスに備えています。そのことを知ることができたのは、大きな収穫でした。

     フェアな金融機関を目指す。私は「フェア」とうい言葉が好きで、『アンフェア』という言葉が大嫌いですので、フェアな金融機関とはどういうものか?耳をそばだてて聞いておりました。

     先に大浦COOは「日本の資金調達環境に疑問をいだいた」と述べられていましたが、これは

    実際の市場の意見が反映されず、ほんの数人により投資判断がおこなわれる現状

    を指しているものと考えて、間違いないと思われます。

    それに対して、「フェアな金融機関」といいうのは

    市場の意見を反映した、クラウド(大衆)の集合知により投資判断が行われる未来(米国の現在)

    を指しているものと思われます。

     投資判断というものは、必ずしも民主主義的ではなく、安易に「フェア」にするものでもないとは思います。しかし上記の研究結果が示すとおり、投資パフォーマンスがより高まるのならば、それは素晴らしい話です。

     Uber、Airbnb、ナイアンティック・ラボが株式投資型クラウドファンディングにより資金調達に成功したというのは、集合知の確かさを裏付けるものと言えます。

     通常の市場判断に女性の意見は反映されていない、株式型クラウドファンディングはそれの解決につながる、といった意見は目からウロコです。日本でもより多くの女性が市場に参加することにより、より面白いプロダクトの実現につながる気がします。

     事業計画発表会はまだまだ続き、現在登録を行っている投資家層について、日本クラウドキャピタルの将来の展望、質疑応答など興味深い話が続きました。

    今回はここまでにさせてください。


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