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    日経マネー5月号でソーシャルレンディングが取り上げられました その2

     日経マネー2016年5月号でソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)が取り上げられたことについての記事「その2」です(「その1」はこちら)。前回は特集1「高利回り利殖術」について取り上げました。今回は特集2と連載「FinTech超最前線でどのようにソーシャルレンディングが触れられているかについてお伝えします。



    2016y03m25d_100632433.png

    特集2「資産運用の未来」
     FinTech、また次々と立ち上がるスタートアップ企業により変わりゆく個人資産運用の未来についての特集です。ソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)よりは、自動投資、投資ロボアドバイザー、個人財務管理ツール(マネーフォワード等)、インシュアテック、不動産テックが主体の記事です。ですからクラウドファンディングについて、特集本文では

    (上記の様々なFinTechについて述べた後)他には、クラウドファンディングやソーシャルレンディングといった新しい投資機会の普及も期待できそう。(99P)


    の1文が認められるだけです。

    2016y03m25d_111501303.png
     
     ただし、こうした図が掲載されており、AQUSHクラウドクレジットクラウドバンクmaneo(の運営会社)が挙げられています。なお、AQUSHを運営するエクスチェンジコーポレーションは決済・送金サービスにも名前を連ねています(Paidyによるもの)。

    連載FinTech超最前線 第7回-不動産取引-概要
     ZUU社長兼CEOの冨田和成氏が手がける連載でもソーシャルレンディングへの言及がありました。以下連載概要を記します。

    ・不動産取引情報では様々な面で個人は業者より不利だった
    ・業者は不動産情報ネットワーク「レインズ」が利用できる
    ・個人は利用できず「情報の非対称性」の問題がある
    ・不動産が地域密着型産業であり、相対取引だったことからこの状況は生まれた
    ・取引過程でも不動産鑑定士への手数料など費用もかさみがち
    ・不動産業界はデジタル化が遅れている
    (根拠となる図は当ブログのこの記事に掲載)
    ・不動産証券化、流動化、IT化によって上記問題が解消しつつある

     以下米国では不動産取引がFinTechにより進んでいること。国内においては広告収入型事業モデル(イエシル・door賃貸など)が先行していること。米国のような不動産取引エージェントサービスも進みつつあることなどを紹介した後、クラウドファンディングについて言及されています、以下概要

    ・不動産取引の難点は多額の費用と流動性
    ・このことよりクラウドファンディングが注目されている
    ・ネットで不特定多数から資産を集め、不動産投資
    ・不動産物件の収入から投資家への分配を拠出
    ・不動産のクラウドファンディングは世界のトレンド
    ……この部分は要約しにくいので、そのまま引用してしまいます。

    不動産のクラウドファンディングは世界のトレンドでもあります。英ケンブリッジ大学などが最近公表した報告書によると、株式や債権を除く分野の資金調達環境においてセクター別第1位に不動産・住宅が挙げられ、その大半はピアツーピア(P2P)レンディングや、投資型クラウドファンディングによる調達だったそうです。この分野の企業としては、米国ではRealty Mogul(リアルティモーグル)、Fundrise(ファンドライズ)などがあり、日本でもロードスターキャピタルがOwnersBook(オーナーズブック)を運営しています(149P)。


     どう解釈してよいのか?なところもありますが、世界においては銀行融資よりもクラウドファンディングの方が不動産購入・賃貸等資金調達の主流な手段になっているという意味でしたらすごい話です(将来はともかく、この解釈は流石に現状間違いだと思います)。FinTech企業が銀行業務に台頭するとはよく使われるフレーズですが、国外ではより先行している模様です。冨田和成氏はオーナーズブックにその将来のビジョンを認めているのかもしれません。

    OwnersBookwide2016031801

     連載最後のほうではグーグルも乗り出してきたこと、不動産中古市場の活性化、価格の適正化、政府の空き家問題の解決手段としての展望、不動産統合データーベースの整備・開放等について触れられています。

     この連載「FinTech超最前線」ではちょと前の話になりますが、2016年3月号ではクラウドファンディング全般が取り上げられ、もちろんソーシャルレンディングもその一分野として取り上げられました。これを機会にこの回の概要もお伝えしたいと思います。

    FinTech超最前線第5回-クラウドファンディング-概要
    ・従来の資金調達手段(間接金融・直接金融)に関する説明
    ・クラウドファンディングは“第3の方法“と呼ばれる
    ・日本の大仏・自由の女神の土台などの例を挙げてクラウドファンディングについて説明
    ・クラウドファンディングの前身マイクロファイナンスにも言及
    (マイクロファイナンスとクラウドファンディングの意味は全く違うが、kivaの様にマイクロファイナンスの資金をネットでの小口融資で募る例もあることから言及したと思われる)
    ・ソーシャルレンディング(P2p金融)サービスは2000年前半に登場
    ・はしりは英ZOPA、米Prosper(2006) 同LendingClub(2007)
    ・国内ではmaneo(2008)AQUSHSBIソーシャルレンディングが早くから事業を展開
    ・2013年に参入したクラウドバンクが半年で5億円を集めるなど注目を浴びる
    以下非投資型(寄付型・購入型)に話が移りますが、その部分は省きます
    (再び投資型に話は戻り)
    ・「融資型」は「貸付型」とも呼ばれ、金額では最も大きい(maneoクラウドバンクなど)
    ・株式型はプロジェクトの利益から配当リターンを得る(Crowdcube[英]、クラウドエクイティなど)
    (ファイアフェレット注、クラウドエクイティは日本クラウド証券のグリーンシート銘柄取引サービス、グリーンシートは株式型クラウドファンディングの合法化により廃止され、クラウドファンディングによる未上場株取引市場が日本証券業協会により開設予定)
    ・2014年度国内クラウドファンディングの市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで197億円1200万円(79.2%が融資型)
    ・矢野経済研究所は東日本大震災を契機に寄付を募るプロジェクトの認知が進んだことが背景にあると分析
    ・資金調達が失敗した場合の再挑戦の難しさ、模倣リスクの注意喚起
    ・投資対象がマイナー企業・サービスであることからの信用リスクへの注意喚起
    ・与信判断の重要さの注意喚起
    ・その与信はネット(Twitter、FB、利用者同士のネットワークなど)によって見える化していく
    ・ソーシャルの繋がりを活用し、参加する個人のリスクを下げて与信の精度をあげる
    ・そのことにより多くの人がクラウドファンディングに参加し、新たな産業創出に繋がる

     上記「東日本大震災を契機に~」の矢野経済研究所の予想ですが、国内では寄付型の募集金額が全体の1%未満であること(2014年度の値、2012年度はもっと大きかったでしょうが)、寄付型に近い面がある購入型がどうも振るっていないことからハズレではないかと私は考えています。
     しかし国内投資型クラウドファンディングの雄であるmaneoが個人融資から事業者融資に切り替えたのは、ある意味東日本大震災が契機です。またクラウドバンク設立は震災復興資金による応援を、災害発生時だけ突出して大きくなる寄付金だけではなく、金融の仕組みでも行なおうとしたことが契機です(当ブログのこの記事で触れています)。
     その意味では「東日本大震災を契機に~」は外れでは無いのかもしれません。

     なにもともあれ、一冊の雑誌で同時に3箇所に渡りソーシャルレンディングが取り上げられたのは私の記憶に間違いなければ初めてです。

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