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    勉強会参加報告その3 クラウドバンク ②~グローバルなビジョンから見える未来の国内ソーシャルレンディング~

     ソーシャルレンディング勉強会参加報告その3です(その2はこちら)

    その3では引き続きクラウドバンクを取り上げます。

    6 グローバルな展望から見える、日本のソーシャルレンディングの未来

     前回では日本における「お金の出し手である個人」と「資金を必要とする企業」とを結びつけてお金の循環を良くしていこうというクラウドバンク自体の展望が語られました。それに加えてグローバルな視点から、将来的なソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)についても語られましたので今回はそれ中心に取り上げたいと思います。大前社長は勉強会に参加される少し前にヨーロッパに赴かれ、各地のFinTech業界の方々と交流されてきています。そのお話からクラウドバンクの展望と日本のソーシャルレンディングの未来も見えてくると思います。以下は大前社長によって述べられた海外のソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)の現状です。

    20160210_191720.jpeg


    6-1 プレイヤー(FinTech業者)への機関投資家の参入

     ほとんどのプレイヤーには機関投資家の資金が入っている。年金はまだ入っていないようだが、ヘッジファンドや銀行の資金は入って来ているとのことです。


    6-2 多様な海外ソーシャルレンディング

     日本のソーシャルレンディングは現状、融資によったものが中心だが、海外ではインボイスファイナンス、トレードファイナンスなども盛んであるとのことです。


    6-3 参入障壁は無い状態の国も既にある

     イギリスはFinTechを専門とする弁護士、コンサルティング、会計事務所が活動を行っており、新規事業者をサポートする体制が既にできています。クラウドファンディングを立ち上げる、ライセンス(営業認可)を取得する、コンプライアンスの確立まで、人員を派遣してサポートしてくれる各種サービスが存在します。政府・行政も前向きです。ちなみにイギリスではソーシャルレンディング(P2Pレンディング)がISA(Individual Savings Account:配当所得及び譲渡所得等の非課税制度)の対象です。

    (参考)
    ついにイギリスでP2PレンディングがISAの対象に!(クラウドクレジットブログ)

    イギリスでソーシャルレンディングがISAの対象に含まれた理由(クラウドクレジットブログ)

    ・・・・・Intermission1(ここからファイアフェレットの余計なつぶやきです)・・・・・・
    2016y03m19d_001421431.jpg
     さて、日本においてですが、これは2016/3/6の産経新聞の切り抜きです、ようやく今国会でFinTech普及を後押しする法律を成立させ、その後1年以内に施行してくれるとのことです(ベタ記事です)。もちろん成立するとは限りません。衆参同時選挙をやっても成立するのですかね?保守オヤジが率いる日本はFinTechなんかに頼らずオールドエコノミーに傾倒し、悠長に、鷹揚に進めても、やっていける、私達の未来を保証してくれるとうい心意気が認められ頼もしい限りです(これはファイアフェレットの私見です)。

    2016y03m19d_002016779.jpg
     ふたたびヨーロッパに戻りこれはイギリス政府の取り組みです(2016/3/17のフジサンケイビジネスアイの切り抜き)。いやはや全然違いますね。

     私は欧米のエリート主義、弱肉強食、階層、格差社会が嫌いです。日本がはるかにマシと思っている人間です。しかしITのIもテクノロジーのテもわからない保守親父がのさばっている状況はもうすこしどうにかならないかとも思っています(これももちろんファイアフェレットの私見です)。

    ・・・・・Intermission1終わり・・・・・・


    6-4 マーケティングが勝敗の鍵

     上のスライドで示されているのは、ロンドンにおけるFinTechスタートアップのコワーキングスペースです。意気盛んな人も多いが、本当に金融・FinTechの関係者なの?という人もいらっしゃるとのこと。「Do What You Love」の文字が掲げられています。参入障壁が小さくなった一方で同一分野におけるサービス・テクノロジー・ビジネスモデルの差別化が難しくなり、成敗はマーケティングによるところが大きくなっているとのことです。

    ・・・・・Intermission2(ここから再びファイアフェレットの余計なつぶやきです)・・・・・・

    Screenshot_2016-03-07-18-29-43 - コピー
     これはアメリカのコーワーキングスペースの様子です(2016年3月8日サンケイビジネスアイ-コワーキングで商機-より)。欧米ではこのようにスタートアップスの育つ場となるコワーキングスペースの経営が盛んなようです(コーヒーやビールが飲み放題のところもあるとか)。

    さて、日本でもFinTechのコワーキングスペースが大手町に開設されました
    日本初のフィンテック集積拠点「FINOLAB」大手町に誕生(2016/2/3WEB電通報)

     海外に比べるとだいぶ大仰な施設のようですが2016年3月12日号週刊ダイヤモンド特集「FinTechの正体」を読むと海外のようなフランクなコワーキングスペースが作れない理由が見えてきます。この特集の冒頭でこのFINOLABが紹介されているのですが、以下のような記述があります(注:コワーキングスペースとしては紹介されていない)。

    (FINOLABに)入居者は続々集まっている。というのも、金融サービスは国が厳しく監督している規制産業だ。例えばインターネットでお金を募るクラウドファンディング事業を始めようとしたある経営者は、賃料の高額なオフィスが必要となる難問にぶち当たり、途方にくれたという。当局から免許を受けるには、セキュリティの高いオフィスが要件となっていた(34P)。



     いやはや、いろいろ日本では大変そうです。



    ・・・・・Intermission2終わり・・・・・・


    7 日本で現在進みつつある流れ

     海外の状況が語られた後、日本の未来についての話となりました。。 


    7-1 当局にお願いしたいこと

     上記のように海外ではソーシャルレンディングがISAの対象である国もあり、政府も個人の資金を呼ぶこむことに協力してくれています。日本も参入障壁自体は小さくなっているが、成長障壁は結構高い、このことはFinTechベンチャー共通であるとのこと。当局も日本の業界を助ける政策をとってもらいたいとのことです。金融庁が各金融機関に求めているのは「FinTech」と「地方創生」であるとのこと、そこにどうやって取り組んでいくのかも鍵になるとのことです。


    7-2 マイナス金利のインパクトは追い風に

     マイナス金利導入の発表から、投資も含めて様々な問合せが増えているとのこと。イノベーションを生み出すこと、サービスの差別化が難しいながらも、改善できるところ、新たなサービスによる収益化の余地はまだまだあるとのことです。



    7-3 厳しくなる当局の監督・一方で問題も


     一昔前に比べプレイヤー(事業者)、ユーザー(ソーシャルレンディングならば投資家)も増え、当局としてもしっかり対応している、あちこちが踏み込まれているとのことで、ソーシャルレンディング業界とは限りませんが、近いうちにニュースになるのかもしれません。現状全く新しい分野であるソーシャルレンディングは一つの監督省庁がありません(現状は複数ある状態)。こうした弊害から来る監督のあり方には注意を払うべきとのことです。


    7-4 ブルーオーシャンはいずこに

     融資という分野ではすでに銀行・ノンバンクという大きなプレイヤーが競合しています(この状態がレッドオーシャン)、ソーシャルレンディングというビジネスが生き残るにはどのようにポジショニングをとればよいのか、銀行やノンバンクとはどう組んでいったらよいのか、認知してもらったらいいのか、ブルーオーシャン(この場合は融資のニッチ市場という意味でしょうか)はどこにあるのかを模索中とのことです。


    8 社会的インパクトの大きいクラウドファンディング

     クラウドファンディング自体は、大勢からお金を集めて事業を行うという意味ではかつてからあった集金モデルであり、新規性はありません。
    (参照)
    バッハや自由の女神も!じつは深いクラウドファンディング400年の歴史とは(Shooting Starブログ)

     しかしその社会的インパクトはネットをその集金手段としたことで、大きく成長しつつあります。イギリスのp2pレンディングサービスであるファンディングサークルは個人融資よりも、事業者融資がメインです。先駆者であり個人融資を主に手がけているZopaはこの会社に抜かれました。個人の消費のための資金融資は額面も社会的インパクトも事業融資に及びません。事業者融資となると、その額・事業の規模・内容によって社会インパクトはこれからも大きくなっていくでしょう。

    私からの感想

     クラウドバンク自体の魅力もさることながら、世界の業界動向をいち早く捉え、日本が将来十分たどり着く可能性がある未来を捉えたビジョンには感心させられました。単に「明るい未来」という語り口だったら猜疑心の深い私はそこまで心が動かされないのですが、上記の通り現実的な問題点も十分踏まえられていることがお分かり頂けるかなと思います。私もこれまでのソーシャルレンディングに対する見方はせいぜい、楽ちんで元本保証性が高い投資商品でした。しかし「世界を変える何か」に私の中では変わりつつあります。このビジョンが各ソーシャルレンディングサービスの経営者がお持ちか、お持ちではないかには注目していきたいと思います。私が新聞の切り抜きや雑誌の引用や私見などをちょくちょく挟んでしまいましたが、クラウドバンクのビジョンをお伝えすることができたでしょうか?

    次回記事
    2016/03/21 勉強会参加報告その4 オーナーズブック①~一流の不動産プロが提供する、高価値不動産投資商品~

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