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    新サービス登場にあたり日本のソーシャルレンディングの文化について考えてみた

    ソーシャルレンディング新規3サービス紹介記事 3回目です。

    2015年6月時点ソーシャルレンディングサービス提供会社比較

    3サービス提供会社20150630
    ※1 前前身のディー・ブレイン証券の設立は1997年7月(前身はみどり証券)
    ※2 見やすいように適当に値を丸めた


    2015年6月時点ソーシャルレンディングサービス提供案件比較
    新3サービス商品20150707
    ※1 貸付実績は2015/6/30時点(暫定値)
    ※2 各投資案件が示した利率から業者手数料と税金分を差し引いた値を示した
    ※3 早期返済が明記されていない商品は全て「無し」と記載

     前回は新しいソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)SmartEquityについて述べました。

     そこで紹介したAIP証券の澤田聖陽社長の考えについて少し異議を唱えたいと思います……と思いましたがちょっと違う趣旨の記事にしたいと思います。

     私が前回の記事をアップした段階では澤田社長は安全を強調しすぎる既存の商品に批判的な立場を取られているのかと思っていました。それに対して私は「サービス提供会社が投資家の安全に心を砕くが悪いこととは思わない」という異議を唱える予定でした。しかしその後、澤田社長が述べたかったのは以下のことだというメッセージをいただきました。

    1. 既存の各ソーシャルレンディング営業社の社長と面識のある人が多く、含むところは全くない。切磋琢磨し合い、業界に建設的な意見を述べていきたいと考えていること。

    2. 貸金業法の規制により既存の業者が投資先の情報開示を制限されている中で、SmartEquityは投資家に情報開示をしっかり行うことにより、投資してもらう方向を目指すこと

    3. 既存の商品は担保の評価方法の問題で投資家へ十分な安全を提供できているかが疑問と考えていること。


     3の担保につきましては詳しい説明をして頂き、面白く、興味深いものでしたが、素人の私が下手に説明してしまうと誤解を招くかもしれないので今後の宿題にさせてください。

     何をともあれSmartEquityが投資家の安全を配慮した既存のソーシャルレンディングに批判的でないことは分かりました。そこで前述しましたが記事の趣旨を変え、現状、日本のソーシャルレンディングでは「このような文化が育ちつつあるのではないか」という一投資家の見解を述べたいと思います。

    ・・・・ここから述べます・・・・

     現状ソーシャルレンディングのサービスには「安全」という言葉を使用してサービスや商品の説明を行っているところがあります。

     調べたところ上記表にあるサービスではSBISL、クラウドクレジット、OwnersBook、SmartEquity以外は商品やサービスの歌い文句に「安全」の文字を使用していることが確認できました。

     また「安全」の文字を使用していない上記サービスも担保設定や為替ヘッジなど、投資家への最大限の配慮が伺えます。

     日本のソーシャルレンディングが安全を強調しているというよりも、安全なものしか生き残らなかったとういのがより正しい表現だと考えています。

     私のように全く金融商品や景気動向に目が利かず、既存のファンド、株式、FXに痛い目に遭ってきた人間でも大きな損失を被らず生き残ってこられたのが、日本が生み出したソーシャルレンディングの文化です。

     貸金業法にのっとった貸付という形での投資、保証人、担保、為替ヘッジなどで、投資家の最大限の利益を図ることが日本のクラウドファンディングの文化ではないでしょうか?

    それが既存のリスキーなファンドが跋扈する文化に戻されてしまうのは、ありがたみがありません。

     そもそもネット証券が取り扱うファンドもソーシャルレンディングのファンドもネットで資金を集めるところも、ファァンドの購入手続きなどはほとんど同じです。

     かつては「ソーシャル」の名を冠している意味がありましたが現状はその意味は薄れています(当ブログの「ソーシャルレンディングの「ソーシャル」ってどういう意味 その1その2その3をご参照ください」)。

     強いて違うところを指摘するならば

    「資金の集まっている様子をほぼリアルタイムで見ることができる」


    「そのファンドが『ソーシャルレンディング(クラウドファンディング)』を名乗っている」
    の2点だけです。

     あるファンドを立ち上げるとして、それにあえて「ソーシャルレンディング」として取り扱う必要はありません。

     もちろん取り扱ってはいけないことは無く、それは商業の自由なのですが、そのことは現状の日本のソーシャルレンディングの文化を読み違えている可能性があります。

     その文化とはmaneoが開拓者となった「投資家を害さない事に最も重点をおいた運営」により「投資家財産が最大限保全されること」が尊重される文化です。

     かつてはリスキーなファンドもありましたが生き残りませんでした。もちろんソーシャルレンディングは前述の通り「ネットでお金を集める」と「ソーシャルレンディングと自称すること」くらいしか定義がありません。

    「安全性を重視する」が最初からあったわけでも、ネットでお金を集めることにより安全性が高まるというわけではありません。

     maneo創業者の妹尾賢俊氏が「貸金業法に則ったファンドを海外のソーシャルレンディングを参考にして始めた(だから担保や保証人の設定ができる)」、「当初考えていた個人の借手から事業者へ移行した」といった経緯の末にたどりついた結果です。

     投資家を食い物にするようなファンドが跋扈するなかで、日本のソーシャルレンディングというのは投資家の財産の保全を最大限重視する金融商品が生まれた場所なのです。

     投資家は「投資家の最大保護がなされる場所」としてソーシャルレンディングを選んでいるのかもしれません。リスキーな投資はよそでやれば良い話ですから。

     ソーシャルレンディングはオペレーションコストを銀行よりはるかに安くできます。したがって様々な商品が提供できます。

     しかしその方向性が「投資家の安全性を様々な方法で担保する」に特化し、様々なイノベーションを持った商品を生み出して欲しいというのが、投資家としての願いです。

     既存のファンドのように「投資家を危険にさらすことがあたり前」、「手数料で悪どく稼ぐ」などの方向性を持った商品が産まれて欲しくありません。

     この考えは従来のプロの証券マンにとっては甘い考えとみなされるのでしょう。

    「リスクがあるのが本来の金融商品だ、顧客にどんどんファンドを乗り換えさせて手数料を稼いでナンボ!」

    と……。

     しかしそれは飽くまで既存の金融商品に関する考えです。ネットやソーシャルレンディングという新たな仕組みは、可能性超えた可能性を生み出す可能性があります。

     同じディフォルトが起きるにしても、顧客が軽視されリスクにさらされるのを当たり前とされる文化で起きるか、あるいは顧客とその安全性が重視される文化で起きるかでは、その損失規模も顧客の受け止め方も違うはずです。

     その文化が最大限発揮され、たとえディフォルトが起きてもソーシャルレンディングそのものの存在を脅かすようなクレームには発展しない。それが私の願い、見通しです。

     以上、私が日本のソーシャルレンディングで根付きつつあるのではないかと考えている文化です。

    次回はLCレンディングを取り上げたいと思います。

    新規3サービスを表に加えました ~LCレンディング~

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