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    ソーシャルレンディング赤裸々日記
    ソーシャルレンディング(投資型クラウドファンディング)の投資履歴から業界の動向、考察まで幅広く手がけています。ぜひご意見、情報がありましたらお寄せください。
    非投資型クラウドファンディングは投資型(ソーシャルレンディング)を敵視?⑨

    シリーズ「非投資型クラウドファンディングは投資型(ソーシャルレンディング)を敵視?」を再開いたします。

     前回は私が非投資型クラウドファンディングが投資型を敵視する理由を推測して述べるに当たって、佐々木敦也氏が著した「クラウドファンディングで世界を変えよう!」を再び取り上げたところで終わりました。
    続いてこの本について述べたいと思います。


    次世代ファイナンス クラウドファンディングで世界を変えよう!次世代ファイナンス クラウドファンディングで世界を変えよう!
    (2014/08/21)
    佐々木敦也

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    私が「クラウドファンディングで世界を変えよう!」について残念と思うところ

     「クラウドファンディングで世界を変えよう!」ではクラウドファンディングの全てのタイプが取り上げられ、客観的事実は正しく記述され、非投資型クラウドファンディングの未来のビジョン、展望が示されています。もちろん事実を正しく書くということは物書きとして当たり前のことでそこは褒めるところでも貶すところでもないでしょう。
     しかし作者である佐々木敦也氏の思想が先の記事で述べたように投資型にネガティブであることは問題です。いえ個人の思想にまで干渉するつもりはありません。具体的になにが問題かといいますとこの本は一見クラウドファンディングを俯瞰してその全容を中立者が紹介するという形をとっています。しかし実のところ筆者の投資型に対するネガティブな思想がこの本の中でところどころ現れ、投資型にネガティブな考えを持つように読者に訴えかけているからです。もちろん日本国憲法第21条は表現の自由を認めていますので、このような形で本を出すのは佐々木氏の自由です。しかしそれならば私も同条文の言論の自由を行使させていただき「これはフェアではないのでは?投資型に出資している人間として残念です」と述べさせていただきます。

    「寄付型」 「購入型」 「投資型」代表者たちへの興味深いインタビュー

     先の記事で紹介したネガティブな佐々木氏の思想だけでも結論に持って行っても良いのですが、更に念を入れて、著者の佐々木敦也氏がこの本でいかに投資型をネガティブに著しているかを更に紹介したいと思います。この本では「一見」クラウドファンディング全てが平等に扱われています。クラウドファンディングが媒体で紹介される際に何故か無視されがちなmaneoとAQUSHも先日の記事で転載した表の様に取り上げられています(日経ビジネスに引用された時は誰の意図かは不明ですがそれが削除されてしまいましたが)。
     この本自体の資料価値の高さや面白さは実際に読んでいただくとして、私にとって最大のセールスポイントは各タイプのクラウドファンディングサービスの代表者3人へのインタビューが掲載されていることです。その3人とは①購入型サービスからは「READYFOR?」代表者の米良はるか氏、②「寄付型」のJustGivingJapan(現ジャパンギビング)と「購入型」ShootingStarの両サービス代表者の佐藤大吾氏、③そして我らが投資型(本中では「貸付型」と紹介)からはmaneo株式会社社長の瀧本憲治氏です。このインタビューの後に著者の感想が続くという形になっています。ではこのインタビューから私が導き出したい「非投資型が投資型を敵視するわけ」を明らかにしてくれそうな「部分だけ」を抜き出して紹介するとします。

    まずはREADYFOR?代表米良はるか氏からです

    READYFOR?代表米良はるか氏インタビュー一部概要抜粋
    結果だけではなく、頑張った過程を重んじたい


    ・クラウドファンディングの分類を寄付型、購入型、投資型と名付けたがこれらは違うものである
    ・寄付型は寄付、購入型はコマース(管理人注:商取引のこと)、投資型は金融に該当
    ・それぞれ商品も違うし、出資者が期待するものも違う
    ・投資型の規制が購入型に影響をあたえるような事態になってほしくない、違うものだということは法制度を作る側が配慮して欲しい
    ・投資型は一般の(金融がわかっていない)人間が購入するものとしては難しい
    ・結果だけではなく、頑張った過程を重んじるのは日本人の良いところなので、今までリスクだと思われていたところにお金が回るようになってほしい。


    2016/01/14 勝手な推測をしていると思われたくないので実際の文を撮影して引用
    クラウドファンディングで世界を変えよう米良はるか氏インタビュー一部2016010101

     「投資型は一般の(金融がわかっていない)人間が購入するものとしては難しい」とは含みのある表現でありますが、インタビューの中でもはっきりどういう意味かは述べられていません。しかし前後の文から推測すると「金満なエンジェル投資家がするように、鷹揚に寄付のようなつもり、千三の成功でよいという気持ちで投資するのならば良いけれど、株式市場で投資家がするように利益をがつがつ求めてはイケナイのでは?」……ということかと思われます。
     上記の米良氏の一連の発言は先に挙げたセキュリテの発言ほど露骨ではありません。しかし全体的に「購入型を投資型と一緒にされたくない」という米良氏の本音を伝えるには十分です。

     さてこの米良はるか氏のインタビューの後に著者である佐々木敦也氏の感想が述べられています。そこからやはり「非投資型が投資型を敵視するわけ」を明らかにしてくれそうな「部分だけ」を抜き出します。

    佐々木敦也氏の米良はるか氏インタビュー感想概要抜粋

    ・「寄付型は寄付、購入型はコマース、投資型は金融に該当、出資者が期待するものが違う」という米良氏の意見に同意
    ・一般の期待するリターンの算定を巡って誤解があると、投資型や貸付型の金融系クラウドファンディングのあり方は難しくなっていく
    ・「結果だけではなく、頑張った過程を重んじるのは日本人の良いところ」に日本にクラウドファンディングが根付く可能性を期待


    2016/01/14 勝手な推測をしていると思われたくないので実際の実際の文を撮影して引用
    クラウドファンディングで世界を変えよう米良はるか氏感想2016010101

     「一般の期待するリターンの算定を巡って誤解があると、投資型や貸付型の金融系クラウドファンディングのあり方は難しくなっていく」とはこれまた含みがある表現ですがこれまたどのような「誤解」かがはっきり書かれていません。金融商品の話ならばリスクとリターンのバランスの話となるのですが前後の文を読むとそうではなさそうです。これまた推測となりますがこの「誤解」とは「投資に対してはリターンが約束されており、それがなされない時は投資された側は弁済、道義、説明、その他責任等を負わなければいけない」という投資に関しては「当たり前の考え」を指しているものと思われます。この当たり前の考えが両氏の考えるクラウドファンディングでは「誤解」となるわけです。
     投資型クラウドファンディング経営に携わる方々はその発言、経営方針から投資に対して非常にシビアであることは明らかであり、上記の誤解など投資家との間には生じてないと私は思います。しかしその投資型のシビアさを米良、佐々木両氏は購入型に持ち込んで欲しくないようです。
     購入型においては出資してもらった側は、一生懸命頑張れば結果が失敗に終わっても、一般の投資で考えられるほどの「責任」を負わなくても良いと読めます。それが「結果だけではなく、頑張った過程を重んじるのは日本人の良いところ」という発言に現れているわけです。私が購入型に出資して、そのプロジェクトが失敗したとします。さてその責任を問おうとしたら、「○○君は一生懸命頑張ったのだから、責めるのは間違えていると思います!!」と小学生高学年の学級会でのことのように、米良委員長と、佐々木副委員長に怒られてしまうわけです。もうゾクゾクします。それだけのためにREADYFOR?の案件に出資しても良いと思ってしまいますね。100%失敗して事業者がトンズラしてくれそうな案件を教えてもらえませんかね。

     以上インタビューとその感想から推測すると米良氏と佐々木氏の理想のクラウドファンディングとは以下のようなものなのでしょう。

    僕達のクラウドファンディングは、お金というリターンをガツガツ求めない人が集まるべきユートピアだ。お金という形でのリターンは論外、無償、もしくはモノという形が望ましいが時にはそれさえもない場合も許される、頑張る人と過程を応援するプラットフォームであるべきだ。

     素敵なビジョンだと思う人は今の日本には多いと思います。しかし上記の「一般の期待するリターンの算定を巡って誤解」ですが、現在購入型に出資している人の中にも結構「誤解」している人がいるのではありませんか?、投資型に出資している人の心配をしてくれる前に、購入型に出資している人の誤解を解いておいたほうがよいのではありませんか?、もっと声を大にして「プロジェクトがこけても、努力した人を責めてはいけません、運営者もそういうスタイルでやっています」と誰にでも分かるように明記しておいたほうがよいのではありませんか?

     米良はるか氏は「投資型の規制が購入型に影響をあたえるような事態になってほしくない」と述べていますが上記主張を見る限りは「出資者保護のために購入型の規制を投資型並に厳しくしてくれ」とはお考えではないようですね。まあ大きな問題が起きて出資者からの不満の声が大きくなったら嫌でも規制される事態になるでしょう。そういった事態を避けるためにも「努力した人を攻めてはいけません、運営者もそういうスタイルでやっています」と全体に呼びかけて、出資者のコンセンサスを得ておくべきではないでしょうか。

    ちょっと長くなりましたので今回はこのくらいで切り上げさせて頂きます。

     次回は「寄付型」のJustGivingJapan(現ジャパンギビング)と「購入型」ShootingStarの両サービス代表者の佐藤大吾氏のインタビューを取り上げたいと思います。

    次回記事
    非投資型クラウドファンディングは投資型(ソーシャルレンディング)を敵視?⑩

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